MENU

会社設立時に注意したい「3つの重要項目」とは

会社を設立する際に、定款を作成しなければなりません。定款に記載するものは、どれも重要な項目ですが、中でも、検討不足が目立つのが、「事業目的」、「事業年度」、「資本金」の3つです。

今回の記事では、この3つの項目にしぼって簡単に説明いたします。

目次

事業目的

事業目的では、設立する法人が行う事業の内容、活動範囲を考えて設定します。基本的には、この事業目的で記載した範囲でしか法人は活動できません。


設立直後に実施する事業についてはどなたも記載するかと思いますが、将来的に実施する予定のある事業も記載しておくことをお勧めします。

だからと言って、少しでも実施する可能性がある事業をやみくもに記載するのは禁物です。

中には、20、30個を超える事業目的を定款に記載している方も見受けられますが、無関係な事業まで記載する必要はありません。

定款は、銀行などの第三者の目に触れることを前提にしっかりとした事業目的を記載しておきましょう。

事業年度

事業年度とは、会計の単位となる期間となります。

日本では、大企業をはじめ、事業年度を4月1日から3月31日と設定する法人が多いです。事業年度の最終月が3月となることから3月決算法人とも呼ばれます。

ただ、法人を1月に設立するのに、事業年度を4月1日から3月31日に設定してしまうと、法人をスタートしてわずか3か月後にはもう決算を迎えることとなってしまいます。

この場合、法人の第1事業年度がわずか3か月で終わってしまい、3か月分の売上と経費を集計して、決算手続きを行うことになります。事務手続きの煩雑さを考えるとこのような短期の決算は、避けたいところです。


また、売上が増加する繁忙期と決算が重ならないように注意することも必要です。繁忙期で忙しい最中に決算業務まで加わり、業務が集中することになります。

さらに、繁忙期で売上が急増する状況下で利益の予測が難しく、節税対策を考えるのは不向きと言えるでしょう。

上記の他、資金繰りの時期や消費税の免税期間等も考慮して、事業年度を設定すると良いでしょう。

資本金

最後に、頭を悩ますのが資本金です。資本金とは、事業のために出資者から集めたお金のことです。

資本金は、会社の体力とも言われることがあり、信用度を計るバロメーターにもなります。新規取引先との取引基準、融資を受ける金融機関の審査ポイント、行政機関から許認可を受ける場合の要件等にも使われます。

そのため、資本金の額をできる限り大きく設定した方が良いと考えがちですが落し穴があります

2022年1月から、株式会社の設立時に必要となる定款認証手数料が、従来一律5万円であったものが、下表のとおり資本金の額に応じて変更されることになりました。

定款認証手数料



また、設立事業年度と翌事業年度に消費税の免税事業者となるためには、事業開始の時の資本金が1,000万円未満に設定しておく必要があります。

さらに、地方税の法人住民税の均等割についても、資本金が1,000万円超となると税額が上がるのに注意が必要です。

よかったらシェアしてね!

この記事の執筆者

宮川英之 公認会計士・税理士

宮川公認会計士事務所代表
上場企業からスタートアップ、中小企業まで累計1000社以上の企業支援をサポート、会計・税務、経営、ITに関する豊富な知見を基に経営全般のアドバイザーとして活動している。

目次
閉じる